「着物が好き」だけでは不採用。呉服事業を展開するたちばなが、26卒で「GRIT(やり抜く力)」人材3名を獲得した採用改革
従業員数:501〜1,000人
業種:呉服・撮影
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インタビュイー
株式会社たちばな採用グループ
吉村 季峰(Yoshimura Kiho)
大学卒業後、2019年に株式会社たちばなへ新卒入社。4年間にわたり店舗での営業職として従事し、継続的にトップの成績を収め、責任者業務も経験。現場で培った圧倒的な営業力を武器に、現在は採用グループへ異動。現場でのプロ意識の高さと楽しさを熟知した「エース」として、経営課題である採用改革と人材育成を牽引している。
小椋 早貴(Ogura Saki)
ディズニーパートナーホテルでの4年間の実務を経て、オーストラリアへ留学。海外での経験から日本文化の価値を再認識し、「学生支援×文化継承」をテーマに2025年3月に入社。ホテル業界での時間帯責任者としての視点と、学生に寄り添う伴走型採用を強みに、現場ニーズに合致したGRIT人材の獲得に注力している。
たちばなが実践する、26卒入社を機に組織を書き換えるGRIT採用戦略
株式会社たちばなは、長野県を拠点に呉服販売やフォトスタジオを展開する老舗企業です。現在、同社は組織の「実行力」を底上げすべく、採用基準の抜本的な改革に取り組まれています。
特筆すべきは、従来の「着物への愛着」を重視した採用から、困難を乗り越える「やり抜く力(GRIT)」へと大きく舵を切った経営判断です。「10人のお客様にお声がけしても、振り向いてくれるのは1人程度」——。断られることが当たり前という精神的なタフさが求められる営業職にマッチする26卒人材を、同社はいかにして3名も獲得することに成功したのでしょうか。その背景にある戦略について、吉村氏と小椋氏にお話を伺いました。

1.課題
「着物への憧れ」と「現場のリアル」のギャップ。好きの先にある“覚悟”をどう見極めるか
—以前の採用活動において、どのような課題を抱えていましたか?
吉村氏:最大の課題は、「現場が求める人材」と「入社する人材」の決定的な乖離(ギャップ)でした。
- 学生側のイメージ:伝統文化に携わる華やかさ、安定した環境
- 実際の現場:お客様との信頼構築には長い時間を要する。「10人にお声がけして、お話を聞いてくださるのは1人」という、地道な積み重ねが問われる世界
現場の店長たちからは常々、「営業思考(数字への意識)が強い子がほしい」という要望が上がっていました。しかし、従来の手法ではどうしても「おとなしい」「受け身」な学生が集まりがちで、入社後に「こんなはずじゃなかった」と早期離職に繋がったり、挨拶や礼儀といった基礎的なモラルが不足しているケースも散見されました。技術や知識の前に、ビジネスパーソンとしての「覚悟の強さ」が不足していたのです。
2.導入背景
求めたのは、知識ではなく「断られても折れない心の強さ」
—なぜ、Maenomeryの「GRIT人材(やり抜く力)」に着目されたのですか?
吉村氏:当社のビジネスにおいては、知識以上に断られても折れない心が不可欠だからです。
高額かつ非日常品である着物の販売は、信頼構築に時間を要し、断られることが日常茶飯事です。そのため、一度や二度の拒絶で止まらずに提案し続ける粘り強さと、失敗しても立ち上がる復元力が、スキルの有無以上に重要となります。
その点、MaenomeryのGRIT人材は、スポーツや芸術などを「本気でやり抜いた経験」を持っています。彼らは無数の失敗を経験済みであり、失敗を単なるネガティブな事象ではなく、成功へのプロセスとして捉え直すメンタリティを備えています。着物の知識は入社後に教育できますが、「折れない心」は一朝一夕では育ちません。
そこで、「人間としての基礎エンジンの強さ」こそが採用の最重要KPIであると判断し、導入を決定しました。
GRITとは?=(https://www.maenomery.jp/article/5)
3.成果
「今年の新人たちは執念が違う」。数字にこだわる26卒3名
—26卒採用において、具体的にどのような成果が見られましたか?
小椋氏:25卒でのGRIT人材紹介の導入を経て、26卒ではGRIT人材紹介・GRIT就活イベントの両面で非常に質の高い母集団を形成できました。
Maenomeryを通じて、現時点(2025年12月)で合計3名の内定承諾を獲得しています。
吉村氏:特筆すべきは、選考参加から内定・承諾に至る歩留まりの高さです。以前のようなイメージ先行の学生ではなく、当初から営業現場の実態を理解し、当社の「数字へのこだわり」に共感した学生が選考に残っています。現場の店長からも「今年の子たちは執念強い」と高い評価を得ており、採用の質が劇的に向上したと確信しています。

4.成功要因
Maenomeryとの連携が生んだ、”歩留まり向上”のカラクリ
—以前の課題だった「ミスマッチ」を解消し、精度の高い採用を実現できた「決定的な要因」は何ですか?
吉村氏:最大の要因は、Maenomeryの企業担当(リクルーティングバディ)と学生担当(キャリアバディ)の綿密な連携によって、当社の現場感覚が学生に正確に伝わっていたことです。
Maenomeryのサービスは、単なる条件マッチングではありません。企業担当が私から吸い上げた「現場のリアル」を、学生担当が候補者へ深く落とし込んでから面接に送り出してくれます。同時に、学生が過去に困難をどう乗り越えたかという「思考の癖」や「行動の源泉」も事前に共有されるため、面接の時点で互いの解像度が非常に高いのです。
彼らは「この学生は、御社の現場のこの場面でこう機能する」という確かな裏付けを持って提案してくれます。書類上のスペックではなく、人生目標を理解した上で、現場のプロ意識の高さまで共有された学生と会える。この強固な連携があったからこそ、互いにミスマッチのない、確信を持った採用判断が可能になりました。
5.GRIT人材の見極め方
採用の決め手は、逆境を乗り越えるプロセスの「言語化能力」
—採用面接において、GRIT人材を見極める具体的なポイントはどこにありますか?
小椋氏:もっとも重視しているのは、過去の経験を単なる「根性論」で語るのではなく、「論理的な思考プロセス」として言語化できているか、という点です。
スポーツや何かに打ち込んだ経験がある学生は多いですが、「とにかく頑張りました」や「気合いで乗り切りました」だけではビジネスでの再現性が判断できません。私たちは、逆境や不測の事態に直面した際、「なぜその問題が起きたのか」「どう状況を捉え直し、次にどう動いたのか」を客観的に説明できるかを見ています。

6.今後の展望
呉服業界の枠を超え、どこでも通用する「個」を育てる
—今後の組織づくりと、内定者への期待について教えてください。
吉村氏:私たちは彼らに、着物業界に留まらない市場価値の高い人間になってほしいと願っています。感謝を伝える力、約束を守る力、そして何より目標をやり抜く力。
AIが台頭する時代だからこそ、一つひとつの出会いに愚直に向き合い、顧客との深い信頼を築き上げる「人間力」の価値は劇的に高まります。Maenomeryから迎える26卒のGRIT人材たちが、圧倒的な行動力を武器に、株式会社たちばなの持続的な成長を牽引することを期待しています。

記事を書いた人
Yamamoto Hiroaki
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